第4章 早春。

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ツグミが 「今日、ここに呼んでくれたのはお兄さん。 本当の結婚式の時はきっと仕事関係のお父さんの知り合いばかりになって、 きっと、ゆっくり出来ないだろうからって言って、招待してくれた。 お兄さんの家のゲストルームに泊めてもらう予定。」と笑い、私の顔をみる。 「来てくれて嬉しいよ。」と私がにっこりする。 「プラタナスってファミレス、コッチに結構あるんだね。 スミレ、本当に王子さまの所に嫁ぐんだ。王子の妻は大変かな?」と言うので、 「サトシはプラタナスのメニューを考える料理人の取りまとめって言うだけだよ。 お兄さんが、実際は経営していくって感じだし。」とちょっと笑うと、 「サトシは来年から、専務だよ。 親父はプラタナスはオレとサトシに任せて、コンビニの事業に専念したいらしい。 結婚もそれで、急がせてたみたいだし。」とタカシさんが私を見る。 私とサトシはタカシさんの顔を見る。 「…俺は知らなかったけど」とサトシが口をポカンとあける。 「まあ、仕方ない。おまえのワガママをあの親父が無条件に聞くわけないだろ。」とクスクス笑った。 「なんだそれ?」とサトシはだんだんと不機嫌になっていく。 「おまえは他にやりたい事でもあるの?」とタカシさん面白そうにサトシの瞳を覗く。 「いや…まあ、プラタナスの料理を美味くするって、 今のチームに認めてもらうっていうのが俺の目標だけど‥」とサトシはつぶやく。 「おまえは次の段階に進むって事だ。 今のチームにはもう、認められてるっていうのが親父の見解だ。 これからはおまえが認めたものをチームが出してきて、 おまえはプラタナスの料理全体について考える様にしろって感じ。 スミレはお前と、チームの間の連絡係だ。 チームの料理がわかる秘書として所属して、サトシとの間をつなぐ。」と私とサトシの顔をみた。 「まあ、会議も多くなるから、事務的な事を任せる秘書は付けるけど、 料理人としての秘書はスミレって事だな。 俺は料理の事は素人だから、サトシに任せる。よろしくなサトシ。」とタカシさんがサトシに手を出す。 サトシは納得していない顔でタカシさんに手を掴まれている。
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