第4章 早春。

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「スミレぇ、俺なんだか騙されてる気分。」 と部屋に戻って一緒にシャワーを浴びてからベットに転がって サトシは私を腕に抱きながら、顔をしかめる。 「役員になるのは嫌?」と聞くと、 「いや、いつかはそうなるって思ってたけど、目の前にすると、驚くって感じ。 まあ、兄貴は28歳から専務で、31歳で副社長だったけど‥。」と私の顔を見る。 「サトシ、家族で仕事ができるっていい事なんじゃないかな。」と私が言うと、 「俺は料理しかできないからね。 兄貴が経営を引き受けていてくれるから、他の事は考えないでいられる。」とちょっと笑い、 「来るべき時が来ただけか。 スミレが一緒にいてくれるなら、俺は頑張れる。かな?」と私の顔を見る。 「サトシのチカラになりたい。」と私が決心した様に言うと、 「今でも、スミレは俺のチカラになってるよ。 でも、スミレがそう言ってくれるなら、これからも安心て事だ。」 とにっこりして深く唇を重ね、サトシは優しく私の身体のラインを掌でなぞっている。 私は目を閉じ、サトシの動きに身を任せる。 「スミレ、愛してる。そばにいて。」と囁く声が聞こえる。 私は頷き、サトシの首に手を回した。
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