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私はびっくりして口が開いたままだ。
「だれ?」とサトシの顔を見ると、
「知らない。」と私の顔をおかしそうに見る。
「首輪ってネックレスのこと?」と聞くと、
「ネックレスって、言葉を知らないんじゃないかな。」と真面目な声で言う。
そう?
「左手のマリッジリング見せたの?」と聞くと、
「誰かに自慢したかったんだ。僕の妻だよって。」とクスクス笑う。
他の席から「シー。」と声がかかる。
私達は
「すみませんでした。」と小さな声で言って話すのをやめた。
腑に落ちない。
まあ、いいか。
物語の続きが気になるし、
私は物語の続きに戻る。
サトシは雑誌をめくる。
きりにいいところまで読んだら、帰ろう。
サトシはきっと、退屈だろうし。
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