第1章  ビッチな彼

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 男を抱いたのはそれが初めてで、今にいたるまで男は秋本しか知らないが、みんなこんなに床上手なわけはないだろうから、やはり彼がうまいのだろう。  ……誰に仕込まれて、などという下世話な発想をバカバカしいと自嘲とともに秋本を突き上げることでそらした。  恋人でもあるまいし、過去の相手に興味など持っても仕方ない。それこそ細野が知るだけでも両手の指では足りないのだ。今だって細野以外に何人いるのか知った事ではない。  すこしばかり凶暴な気分になって、ぴんと張った小さな乳首を捻ってやる。それすらも快感として捉えた体がびくっとしなった。 「あ、あ、いいっ。そこ、気持ち、いい…」  ぐっ、ぐっと押し入るリズムに合わせて、秋本が腰を合わせてくる。お互いに煽りあって、そこはもうどろどろに溶けてしまいそうになっている。  細野のほうも、繊細にうごめく熱い粘膜に何度も締め上げられて限界に近かった。  目を開けた秋本が濡れた目で細野を見あげてきた。 「も、いきそう…」 「ああ、俺も」  細野が低く告げると、口角が上がって艶めいた笑みをこぼす。  突き上げるスピードが速くなり、抱きあった体の間で秋本が自分の性器を擦りたてるのを感じながら、二人でタイミングを合わせて頂上まで駆け上がる。  快感が一点に凝縮されていく。先に秋本が登りつめてきゅううと性器を締めつけられると、痺れるような感覚が背筋を走り抜け、ぐっと押し出されるように一気に弾けた。
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