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「アキラの件の日の夜、親から電話あって、病院に飛んでったんだ。そしたら、医者も親も皆すげぇ深刻そうな顔してたからさ。事情聞いて、それから部活も出てこない日多くなって、タカシやお前たちには申し訳ないと思ってる。」
「そんなこと気にするなよ。結構やばいのか?」
「あぁ。このまま治る確率は極めて低いらしい。けど、あいつ自身、自分の置かれた状況をなんとなく理解してるのにも関わらず、諦めないで夢を追っかけてる。」
「夢...か...。」
ヤマトは遠い目で呟いた。
アキラは夢と聞いて、ポケットの中に大切にしまっているマスターのマドラーに手を添えた。
「プロ野球選手になりたいって、小さい頃の夢でさ。一見、叶わないような夢かもしんないけど、近くにいるじゃん?夢が叶おうとしてる奴がさ。」
アキラは何かに気づいた様子で呟いた。
「3年のスバルのことか。」
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