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「お兄ちゃん!」
ノゾムがよろめきながら屋上へ姿を現した。
「ススム。」
「あ、お兄ちゃんがいつも御世話になってます。弟のススムです。」
本当に病人とは思えない笑顔でススムは2人に挨拶をした。
2人も微笑んでおじぎした。
「ススム。部屋に戻るぞ?そろそろ夕飯の時間だ!」
ノゾムは無理矢理明るくススムに接していることが2人には手に取るように伝わった。
「アキラ、ヤマト。心配してくれてありがとな?また学校で会おう。」
そう言うとノゾムとススムは屋上を降りて行った。
「オレたちさ、あいつに何してやれるのかな?」
ヤマトが遠くを見つめて呟いた。
「オレも分からなくてさ、同じこと考えてた。」
2人は仲間をどう支えてあげたらいいのか分からない自分の力の無さを痛感していた。
そしてその日は解散したのであった。
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