第8章-兄弟愛と散った紅葉-

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「ススム。寝ちゃったのか。」 ノゾムが病室へ戻るとススムはスヤスヤと眠っていた。 「今日は...帰るから。また、明日。」 ノゾムが病室を去ろうとすると 「...お兄ちゃん。ありがとう。」 ススムの声に振り返るとそれはどうやら寝言のようだった。 ノゾムの中からぶわっと涙が込み上げてくる。 「ばか...オレはお前に...何もしてやれてない...。」 ノゾムは病院から出るとそこには夢幻部メンバー全員が揃って立っていた。 「お前ら...。」 ノゾムは呟いた。 「オレとヤマトと2人で来てたんだけどさ...オレたち、この4人に尾行されてたみたいで...スパイ失格だな。」 アキラは照れくさそうに笑った。 部員が横一列に並んでいる中、タカシがずいっと1人、前へ出て言った。 「場所を変えよう。」
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