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「おはよう、志之介。朝ご飯出来てるぞ」
朝、顔を洗い制服に着替えてリビングに入ると、キッチンで朝食作りをしていた周兄ちゃんがワイシャツにネクタイ、それにエプロンというミスマッチな格好で爽やかに挨拶をしてくる。
「ん……おはよう……」
「今日はちゃんと一人で起きられたんだな。偉いぞ」
一人で起きられただけで褒めてくれる、周兄ちゃんはいつも僕に甘いんだ。
「弁当も出来てるぞ。今日は志之介の好きなハンバーグ入れておいたから」
「ホント!?」
顔を洗ってもまだ眠気が残っていたのに、周兄ちゃんのその一言でパッチリと目が覚めた。
周兄ちゃんは何でも器用にこなせるから料理も上手い。かと言って調味料を目分量で、というのは苦手らしく、いつもキッチリ計ってレシピ通りに作る。
でもそのお陰で失敗はないから、何を食べても美味しいし安心出来るんだ。
「俺はコーヒーだけど、志之介はコーンスープだよな。ちょっと待ってな」
「うん! 円兄ちゃんは? まだ寝てるの?」
「さぁな」
僕が円兄ちゃんの名前を出したのと同時に廊下の方からバタバタと騒がしい足音がして、勢いよくドアが開く。
あ、円兄ちゃんが起きたんだな。
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