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服は二重に着ていたので、血も何も残ってはいないが、それでも調べられたら捕まってしまうだろう。
今日で最後の出勤だと言い聞かせ、笑顔で接客をし、そのまま荷物を持って一度家に帰り、用意していた荷物を持って車に乗り海へと向かう。
いくつかの場所に分けて捨てれるものは捨て、近くのキャンプ場で燃やせるものをすべて燃やす。その燃やしたものの灰も、川に捨て「これで証拠はなくなった」と一人喜びながら、違う街に行こうと朝の開店と同時に銀行へ行き、預貯金すべてを下ろす。
二つ隣の県まで行き、ホテルの温泉を楽しみ、夜にはバーでお酒を飲んでから眠る。最初から贅沢だが、これからの逃亡人生を考えると最初しか使えないと割り切り、それから半年。上の部屋が使われていないというスナックで住み込み働いていたが、響き続けるLINEの音に段々とおかしくなり始め、首になってしまう。
『ピコン__』
『ピコン__』
『ピコン__』
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