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「いらっしゃいませ」
いつものように席につき、お酒を作りながら愛想を振りまき話に合わせ、ママに言われるまま次々と、ボックスを周り接客をこなせる日はいいが、そうでない時は、夜道に立ちキャッチをする日も多い。
そう、たまたま偶然。
キャッチに出ようと外に出た時に外で看板を見ていた人がいて声をかける。
「この看板少し古くて……新しく二階にオープンした響ってLounge何ですけど少し寄っていきませんか?」
年齢的にもそれほど若くなく、客とはしゃぐことも無いので、落ち着いているねなどと言われるが、初日にそう思われてしまったので、お姉さんキャラを通していただけの丁寧な言葉。
「いくら?」
そう聞かれるのもいつものことなので、料金説明をして、飲み放題はないのでボトルを下ろしてもらう必要があると告げる。
歳は30前半くらいだろうか。少しのんびりとした口調に、穏やかそうな雰囲気もあって少し積極的に店に案内する。
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