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都会ではない田舎町の駅なので、ベンチはあっても日陰になるようなところはなく、待ち合わせの15分前について缶コーヒーを買って飲みながら、ベンチに腰掛けてLINEが来ていないかどうかをチェックし、ついでにママに同伴なので1時間遅れますとLINEを送る。
「おまたせ。ごめん、待った?」
「いえ、それ程は……」
「缶コーヒー」
「あ!」
「暑かったでしょ? 駐車場が空いてなくて。行こうか」
ゴミ箱に缶を捨て、少し後ろを歩きながら駐車場に行くのだろうかと考えていたら、五分ほど歩いたところにあるお寿司屋で予約を取ってくれていたらしく、お店に入る。
「ここって結構有名ですよね?」
「よく来るんだ。魚嫌いだった?」
「好きです。ナマコはちょっと苦手ですけど」
「俺も見てからは食べれないなぁ。地球外生命体みたいじゃない?」
「そうですね。あ、そういえば私お名前を……」
「ボトルに書いた時にいなかったもんね。俺は笠松俊光。穂乃果ちゃんでいいんだよね?」
「はい、本名なので」
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