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冷蔵庫を開けると、飲みかけのワインがあった。
二人で飲めば、一本は軽く空くワインも、一人では半分も飲めない。
「勇平君、家に帰ってきたかな。」
その時だった。
バタンッと、突然家のドアが開いた。
そこには息を切らした、勇平が立っていた。
「麻奈さん……」
「勇平君、どうしたの?」
「先輩に……麻奈さんが来たって聞いて……」
「走ってきたの?」
勇平はハアハア言いながら、その場に倒れこんでしまった。
「勇平君。」
麻奈が駆け寄ると、勇平はいつもの笑顔を見せてくれた。
「あと、これ受け取ったから。」
そう言って正也に渡されたプレゼントを、嬉しそうに見せてくれた。
その仕草がかわいくて、麻奈は思わず、勇平を抱きしめてしまった。
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