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私は関取関取、言われながらも、そこそこ男子とは仲良くできていた。それなりに成績が良かったので、勉強の質問にのったり。オタクな男子たちと、オタクトークをしていたのだ。
それは、とても楽しいものだった。
その日までは。
「タカシくんって、サトコちゃんのこと好きなの?」
という女子の声が聞こえてきた。ピョンピョン飛び跳ねながら、キラキラ女子が聞いている姿が浮かぶ。
サトコちゃんというのは、もちろん私の事だ。
それで、タカシくんというのは、私とオタクトークをしてくれる、イケメンの男の子だった。
私は、いつも彼と楽しく話していたから、少し好きになっていたかも知れない。すこしプラスのことを言ってくれると期待していた。
「いや、そんなんじゃないよ?」
と、タカシくんがサラッといった。
のおおおおおぉぉぉぉぉぉ。私は聞いてはいけない言葉を聞いてしまった。
「ああ、ふとっちょだもんね」とキラキラ女子が言う。
「まぁ、少しな」とタカシくんも否定はしなかった。
私の心はポッキリ折れた。
この、暗黒の終業式から、さらに私の漆黒の夏休みが始まった。
ろくに外に出ず、ごはんもあまり食べないという。
夏休みが。
しかし、とくに苦痛ではなかった。
空腹はいずれ心地よい辛さに変わっていくのだ。
そして、夏休みが開けた。
登校前に私は美容院だけ行っておくことにした。
気分を切り替えるために、バッサリ切ってもらったのだ。
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