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第1話『好きなんだけど』
第1話『好きなんだけど』
「私の体重は80kgある」
もちろん男子からのアダ名は関取だ。
美しき、どすこい女子高生生活である。
どうしてこうなってしまったのか、よく思い出せない。
生まれた時から、ふとっちょだったのかもしれないし、そうじゃないかも知れない。
記憶をたぐっていくと、小学生くらいの時は、特に太っていなかったような気もする。
まぁ、それは良くて女子高生生活である。
学校では関取関取言われていても、家に帰ると楽しいことがたくさんあった。
二次元のイケメンたちが思う存分私をなぐさめてくれるのだ。
アニメにゲームにソシャゲにボイスCDに抱きまくらにコップに・・・
おっと取り乱してしまったわ。
そう、私はオタクなのだった。
家に帰れば、二次元のイケメンたちが笑顔で出迎えてくれるのだ。だから、現実の男子なんてどうでもよかった。
どうでもよかったはずだった・・・あの日までは。
そう、あの日は高校二年の一学期の終業式。
私は聞いてはいけない言葉を聞いてしまったのだ。
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