第1話『好きなんだけど』

1/3
前へ
/3ページ
次へ

第1話『好きなんだけど』

第1話『好きなんだけど』 「私の体重は80kgある」 もちろん男子からのアダ名は関取だ。 美しき、どすこい女子高生生活である。 どうしてこうなってしまったのか、よく思い出せない。 生まれた時から、ふとっちょだったのかもしれないし、そうじゃないかも知れない。 記憶をたぐっていくと、小学生くらいの時は、特に太っていなかったような気もする。 まぁ、それは良くて女子高生生活である。 学校では関取関取言われていても、家に帰ると楽しいことがたくさんあった。 二次元のイケメンたちが思う存分私をなぐさめてくれるのだ。 アニメにゲームにソシャゲにボイスCDに抱きまくらにコップに・・・ おっと取り乱してしまったわ。 そう、私はオタクなのだった。 家に帰れば、二次元のイケメンたちが笑顔で出迎えてくれるのだ。だから、現実の男子なんてどうでもよかった。 どうでもよかったはずだった・・・あの日までは。 そう、あの日は高校二年の一学期の終業式。 私は聞いてはいけない言葉を聞いてしまったのだ。     
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加