第1話わたしのジョー

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第1話わたしのジョー

第1話わたしのジョー わたしは29歳。 独身。 家に帰ると、ジョーがいる。 ジョーは働かない。 彼いわく自分でアプリを当てるという。 つまり、ヒモ。この表現はきつすぎるのでもうちょったやんわりした表現があると良いと思う。主夫?でも結婚しているわけではない。 私は彼がいた会社の元上司。 スマートフォンアプリ開発会社の部長。 いまどきはそんな言い方はせずに、シニアマネージャーという肩書が付いている。 「ヨッちゃんおかえり」 私の名前は依子。依子だからよっちゃん。そう略すと堅いイメージが一気になくなる。私のことをそんな呼び方で呼ぶ人はいない。みんな三枝さんだ。 なんとなく近寄りがたいイメージがあるのだろう。 「ごはん出来てるよ?!」と言うジョー。 そう彼はご飯を作るのが得意だ。 とても美味しい、私はそれを楽しみにしている。 この対価として彼の生活費をすべて持っている。 と自分に言い聞かせているほどだ。 お金に余裕はある。だからこの生活も苦しくはない。 むしろ楽しい。 家に帰ると可愛い男の子と美味しい食事が待っている。 ただし、問題がある。 私が29歳だということだ。 「はい、食べて食べて?」 とジョーがいう。 今日はカレーだ。 スプーンを口に運びながら思う。 「私は、ほんとに彼のことが好きなのだろうか」
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