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そこへ コンコン とドアがノックされた。
従業員がドリンクを先に持ってきたのだ、カルピスーサワーと梅酒をテーブルに置くと ごゆっくりどうぞ とだけいって出て行く。
ドア閉まる音を合図に二人同時にそれぞれグラスを手に取り乾杯する。
「なにはともあれ、お疲れ様」
「お疲れ様です」
乾杯の後、梅酒を半分ほど飲み干してから私はまた話を戻した。
「あ゛ぁ゛~、たまらねぇぜ!!たまらないといえば、話は戻すが・・・今日の人身事故は私の居たホームで起きて、私が乗ろうとしていた電車だったからな」
「飛び込みですか?」
「いや、違う。電車が入ってくる前に駅員に気づかれないように退避スペースにもぐり込んでいたらしい。電車がホームに入ってくる直前にレールの上に首を置いてうつ伏せってわけだ」
私は右手の親指を立て、首の前で一の字を書いてみせる。
「今日僕は電車使わなかったからわかりませんでしたけど・・・てっきり先輩が乗る前に人身事故があっただとばかり思っていましたよ。でも、目の前で起きたにはしては復帰が早すぎませんか?普通は30分から一時間で運転再開、通常運転に戻るには最低でも二時間は必要ですよ?」
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