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コンコン、と私達の居る部屋がノックされる。
ガチャリとドアが音を鳴らして開かれる。
「失礼します。串盛り合わせ、鳥のから揚げ、刺身盛り合わせ、フライドポテト、シーザーサラダお持ちしましたー」
一つずつテーブルに注文した品が並んでいく。
従業員が出て行くと同時に私はフライドポテトに手を伸ばした。
「それは?」
「今のところは運よく自分はそういった時に居合わせていませんね。でも、先輩とかは事故で飛び散った肉片とか脳髄を拾いにいった事はあるみたいですね」
「お約束のお話だな、それに慣れてしまうっていうのもセットで」
フライドポテトを多く掴み自分の取り皿に乗せ、真っ赤なトマトケチャップを掛ける。
一本ずつポテトをつまみ一口齧れば内側のホクホクとした真っ白なポテトにケチャップがドロリと垂れる。
それを見て私はあの話を思い出した。
「鉄道関係の怖い話といえばさ、テケテケってあるじゃないか。あれって本当にあった話なのかい?」
小野寺は私を嘲笑するかのように鼻で笑った。
「怪談話なんて全部眉唾物ですよ。ほんっとにそういう話好きですね」
「でも、そういう話があるという事は元ネタ…と言うと変だけど、原型となる事件は存在したんじゃあないかな?」
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