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恋に恋する高校生、今日も憧れの先輩に話しかけられないかな!と思いながら登校する、背景に花びらが舞っちゃうような、高校生だったの!
5分前までは!!
今はヤギ。間違いなくヤギ、紛うことなくヤギ。
紙をパクパク食べちゃうヤギ。
メタルバンドの儀式に使われるヤギです!
さっきまで女子高生だったのに。ヤギ!
そんな話ある??
この世のすべてが私達のためにあると錯覚できる
あの伝説のキラキラした三年間を謳歌できる女子高生だったのに!!
今はヤギ。
しかも背中からライオン生えてるしね。
そして尻尾はヘビね。
と感慨にふけっていると、とあることに気がついた。
そういえば、目の前に、なんか狼がいるんですけど・・・。
ヤギって、おいしくいただかれちゃうのでは・・・。
「とりあえず逃げよう!!」
私は口に出す。
人って、口に出すと整理がつくことって一杯あるからね。
たとえヤギだったとしてもね!
「ゆっくり、こっそり、そーっと、逃げるのよ、菜々子!」
と自分に言い聞かせるように、そろーり、と歩みを進める。
「グルルルルルゥゥゥウ」
といいながら走りだす狼。
「ぎゃー!!みつかったー!!」
猛ダッシュする私、女子高生の時は走るの苦手だったけど
ヤギだとどうなのかしら?と思いつつ走る!走る!走る!!
あ!速い気がする!!
けど狼の方が速かった。
ヤギってそんなもんよね?
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