憎かったけど愛しかった

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憎かったけど愛しかった

お前と仕事後に会うようになってから3ヶ月。 無理難題を押し付けてくる上司、俺の理想とはほど遠いぬるま湯のような部署。 俺は限界だった。 この部署も、上司も、そして言うことを何1つ聞かない部下も。 「なんでそんな時間かかってるんだ!30分で調整して客先に納期回答しろ!」 俺が怒鳴る回数が多くなるにつれて、 お前からの誘いが多くなった。 あの頃のお前は、ただただ俺に嫌われたくなかったんだな。 『すみません。明日からは気を付けます。』 『本当に、すみませんでした。』 だけど、お前の仕事中に泣き出す姿も、俺の足手まといになる仕事をするお前も、ただただ憎かった。 お前だけは、俺のことわかってくれてると思っていたのに。
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