第十一章 決戦は土曜日(続き)

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「最後に我々に上杉師範の稽古をつけて頂けないでしょうか?」 「ワシの?」 「ハイ、今日は元々は交流稽古。我が部員達も幻の師範に稽古をつけて頂けるとのことで、大いに期待していたのですよ」 「ちょっとあなたさっきから聞いてれば、なに言ってるんですか!」  側で聞いていた美沙ちゃんが間に入って強く言った。 「愛氣ちゃんはさっきまで無理してたから早く帰って休ませないと……」 「部外者は黙っててください」 「キャッ!」  鮫嶋が美沙ちゃんを横に払った!  床に倒れる美沙ちゃん。 「美沙ちゃ――」 「初音さん!」  俺が声を出すより速く、側に行き美沙ちゃんの手を取る虎蔵じいさん。 「大丈夫かの」 「はい。ちょっと転んだだけですから」 「そうかの」 「先生、お願いします。なんとしてもこのまま終わらせる訳には――」 「よかろう」  立て膝のまま答える虎蔵じいさん。 「え? ホントですか?」 「ああ、そんなに言うならお相手しよう」  ゆっくりと立ち上がる虎蔵じいさん。 「……!?」  な、なんだこの虎蔵じいさんの『氣』は!  さっきまでの穏やかな雰囲気とは全然違う。 「直人にもわかる?」 「ああ、なんか身体中が寒くなってきた」
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