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「くうぅぅうううっ・・・たぁまらああああああん!!」
「いってぇ!」
「んあ?」
あおいが振り替えると、痛そうな顔をして足を擦る結城春斗がいる。
「何やってんの?」
「お前がいきなり立つから、椅子が俺の足にぶつかったんだよ!ったく・・・」
「春がそんなとこに立ってるからでしょ」
「お前なぁ、出入口の横の席なんだから、俺じゃなくても通るってーの!」
キーンコーンカーンコーン
「はーい、席に付けよ」
英語の男性教師が教室に入ってきた。
「ちっ」
春斗は軽くあおいを睨み付けて、斜め前の席にどっかりと座った。
「ちって・・・。本当に柄悪いんだから」
「ぶつぶつ言ってっけど、聞こえてるからな」
振り向きもせずにそう言い捨て、机の下でスマホを弄り始めた。
相変わらずの態度のでかさ。
春斗とは高校に入って以来の仲だ。
彼は隣町の中学だったが、その悪さ振りはあおいの学校にまで噂が流れるほどだった。
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