story.1 -君の存在-

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宇「本日はありがとうございました!また明日からもよろしくお願いします!」 彼女はそう言い残し、帰っていく。 宇「あ、西島さん!私、西島さんの作る曲とっても好きなんです!」 そう無邪気な笑顔で言う彼女。 君はまた一つ嘘をつく。 だけど僕は臆病で、ただ君の声に応えることしかできない。 西「本当ですか、嬉しいです。これからもぜひ聞いてくださいね?」 宇「はいっ!では、失礼します!また、明日!」 そんなに笑わないで 心がぎゅっと苦しくなる なぜ彼女に心惹かれるのか、自分でもわからない。 だけど、彼女のことをもっと知りたいって思う。 彼女の近くに、すぐそばに、隣に。 西「あのっ…」 宇「はい?」 神様、もう少しだけ僕に勇気をください。 心の中でそう願う。 だけど、勇気なんて自分次第で勝手に出てくるものであって、神様なんているはずなくて。 西「い、いえ…。また、明日。」 またひとつ、僕は君を手放してしまう。
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