story.1 -君の存在-

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-Nishijima side- どんなに永遠を願っても、必ず終わりは訪れる。 だけどその瞬間の自分の行動次第で、変えられるものもあるのかもしれない。 ………君と過ごすこの時間も。 宇「3日間ありがとうございました!」 そう言い、また君は一つ嘘を重ねる。 今日までに何回、君の『嘘』を何も言わず見つめてきたのだろう。 そしてこれからも、何も言わず見つめ続けるのだろうか。 宇「またいつかお会いできる日を楽しみにしております! 本当にありがとうございました!」 ここで君を手放せば、いつまた君に会えるのだろうか。 宇「では、失礼いたします! お疲れ様でした!」 西「あ、あのっ!」 宇「はい?」 もう後には引き返せない。もし手放したらきっとずっと後悔すると思ったから。 西「宇野、さんは…この後はもうお仕事終わりですか…?」 宇「終わり、です…」 西「…よかった。 もしよろしければ、食事行きませんか?」 宇「え……。」 大きな瞳が見開かれ、こぼれ落ちそうになる。 西「どう、ですか…?」 宇「…行きますっ!」 西「…本当に?」 あまりにも嬉しそうに返事をするもんだから思わず聞き返してしまった。 自惚れて、聞き間違えたんじゃないかって。 宇「はいっ! ぜひ行かせてください!」 だけど、二回目に聞いた言葉は確かにYESだった。
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