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-Uno side-
宇「3日間ありがとうございました!」
仕事とはいえ、とても優しく接してくださった西島さん。
彼の仕事に対するストイックさに、尊敬と感動を感じていた。
もう会えなくなると思うと、少し寂しくなる。
いつの間にか、気づかぬうちに心を惹かれていたのかもしれない。
宇「またいつかお会いできる日を楽しみにしております! 本当にありがとうございました!」
そんな自分の気持ちに蓋をして、気持ちを沈めるようにいつものように明るく振る舞う。
……………………少しの本音も混ぜながら。
宇「では、失礼いたします! お疲れ様でした!」
本当にもう終わりか…。
自分で明るく言っておきながら、ため息が出そうになる。
そんな気持ちが彼に伝わらないように、出口までの道を急ぐ。
西「あ、あのっ!」
宇「はい?」
そんな時、急に彼の声に引き止められ振り向いた。
何を言われるんだろう。
面白みのない取材で嫌われた?
もう、来ないでくださいって言われる?
そんなことばかりが頭をよぎる。
西「宇野、さんは…この後はもうお仕事終わりですか…?」
宇「終わり、です…」
西「…よかった。 もしよろしければ、食事行きませんか?」
宇「え……。」
想像もしていなかった西島さんの言葉に固まってしまう。
西「どう、ですか…?」
彼の言葉に、ハッとする。
もしここでついて行かなければ、後悔する気がした。
宇「…行きますっ!」
西「…本当に?」
西島さんの驚いたような顔に思わず笑みが溢れる。
宇「はいっ! ぜひ行かせてください!」
もっとずっと、一緒にいたいと思った。
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