カフェオレ事件

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「さっき、カフェオレ飲んだじゃん」 俺がおそるおそる横に寝かせてもらおうと身を置くと、佐野さんはあのね、とお喋りを開始する。 「うん」 「それのせいだと思うんだよね」 「何が?」 「コーヒー、寝れなくなる」 言われて、あ、と俺も気付く。 「ほんとだ……ごめんなさい、気が回らなくて」 「ううん、僕も全然気付かなかった。だからすごく眠いは眠いんだけど、目冴えちゃったのかな~って」 てことは、カフェオレを与えなかったらあのまま熟睡してて、発射できていたのか。 ぐぬ~俺のバカ。 だけど一緒に寝ておしゃべりする佐野さんも可愛いぞ。 「……」 ということで、一先ずはこのまま無邪気に喋り続けて欲しかったけど、佐野さんは突然にも黙る。 ほんと狭いベッドだから、すごく近くて、なるべく接触しないようにと枕の端と端に頭を置く微妙な感じで距離を保とうとすると、俺は背中あたりが落ちないようギリギリって感じ。 枕は逆に邪魔なのかもしれない。 今まで興奮してた自分は、怖いほど背筋が凍ったから少しマシにはなったのだけど、でも結局出し切れていない物が渦巻いたまま。 ていうかなんだよほんと、黙らないでよ……、無性に恥ずかしいし、近すぎて呼吸さえハラハラと緊張する。 俺が先ほど何をしていたとか、違和感の正体を探るべく考えているんじゃないだろうかと、疾しいことがあるものだからその真っ直ぐな視線が、耐え切れなくて。 「……電気消して?」
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