インターフォンZ

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タケルは薄気味悪さを感じながらなんとかおんなを追い払い自宅のドアを閉めた。ふとモニターを見ると、インターフォンが鳴ったことを示す履歴の赤ランプが点滅している。そういえば、ここで一人暮らしを始めたときに不思議に思ったことを思い出した。築四十年のこのアパートに、最新とはいかないまでもモニター付きインターフォンが設置されていたのだ。そのとき何気なく管理人に訊いたときは、「前の住人が取り付けたものだから」という説明を受けた。前の住人が男だったのか、それとも女だったのかまでは訊かなかったが、彼、彼女は何故このインターフォンを付けたのだろうか。 タケルは、そのときに詳細を訊かなかったことを後悔した。
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