陰の宮

通行証

ここは宮中。

王宮で働く使用人たちの中には、貧しい家から宮廷に奉公に上がってきた子供も少なくない。前金として一定額がすでに実家へと支払われている。

王に忠誠を誓った身。
全てが宮廷のものだった。

逃げ出すことはできない、縛られた身。

どんな理由があろうと、許可なく王宮を出ようとすることは第一の禁項目だ。

それが宮廷に仕える者の世界。