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「ところで気になるんだけど、どんどん細かくなったらプライバシーって大丈夫なんでしょうか」
「ほう」
するどい質問に那日花之博士は身を乗り出した。
なかなかこの問題に気がつかないものも多い。
きになったことをそのまま聞けるのが、布通野女史のとてもいいところだと、那日花之博士は知っていた。
「だって、どんどん、画質がよくなると、顕微鏡みたいになるということじゃない?いままで、見えなくて、気にしなかったものが全部見えちゃうのよね。」
「大変素晴らしい質問です。」
那日花之博士はほんとに感激して。布通野女史を賞賛した。
「たとえば、現代でも、自分が気にしないでも、写ってしまうものがあります。主に反射するものです。車のボンネットとか、ミラーとかですね」
「ああ、おもしろい。写真を撮っているひとは気が付かなっかたけど、拡大すると見えるものがあるということですね。」
那日花之博士の説明に樫子伊助手が納得した。
新しい見解を示した。
テクノロジーの進化による新しい問題に気がついた。
こういうことは研究のテーマになりやすいので、かなりくいついていた。
「なるほど、となると、コップに映るグラスとか、そういうものも気になるわね。後は、瞳に映るものも分かってしまうわ!」
「へぇ、それはすごい、よく気が付きましたね。」
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