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週末のはなし
『みゆきちゃん、どーしよう!』
久しぶりに聞いたユキトの声は、なぜかとても幼く感じた。
『もしもし? 聞こえてる? ……えっと、おれだよ、おれ!! 』
「……はあ」
『えっ!? もしかしておれのこと忘れちゃった?』
「覚えてる。覚えてるけど。つか、俺は『みゆき』じゃなくて、『美しい雪』で『よしゆき』だって何度言えばわかるんだ。あほユキト」
『びっくりしたー。その年でボケちゃったのかと思った』
「いや、驚いたのはこっちだろ」
『なんで?』
「あのさ、ユキト。俺たち別れたよな?」
『うん』
「……なんでふつーに電話かけてきてんの……」
『ごめん……。でも、みゆきちゃんしか頼れる人がいないというか、気づいたらみゆきちゃんに繋がっていたというか、とにかく緊急事態で』
「は? 悪い。話が見えない」
『みゆきちゃんどうしよう。おれ死んだかもしれない!』
「……はい?」
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