スナーク狩り

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警察署を出ると、ちょうど俺が行きたい方面に向かうバスがやってきたので、俺はそれに乗って行くことにした。 そこに行くにはバスでも10分ほどかかるので、ちょうどよかった。 バスはすでに満席で、立っている人もちらほらいた。 一番近くの空いているスペースに入っていくと、目の前で新聞をだらりと前に下げながら居眠りをしている中年がいた。 彼が今まで読んでいたと思われる紙面には『死刑執行後に冤罪発覚か』という見出しがついていた。 ずいぶんとタイムリーな内容だな、と苦笑しつつも、俺の目はその記事に吸い込まれていった。 『……は少女連続殺人の容疑で逮捕・起訴され、死刑が確定、先月死刑が執行された。しかし、十分な捜査が行われなかったとして遺族側が異議を唱え、再審請求を行った。これを受け、審理を開始したところ、捜査に不十分な点が数多く認められたとして……』 ごくり、と俺はべとついた唾液を飲み込んだ。 死刑執行後の冤罪発覚。 捜査が十分に行われなかった。 つまり、警察の思うように犯行のシナリオが作られ、犯人がでっち上げられたというこだ。 先ほどの警察官のにやにやとした嫌な笑みが脳裏に浮かぶ。 俺の手がじんわりと汗をかき、ずる、と手すりからほんの少しずり落ちるのを感じた。
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