0人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうだい、銃を押し当てられた気分は、ロシアンルーレットの始まりさ。
時間内に誰も来ないと、君は命を落とすことになる」
男は言った。
空は目隠しをされて、椅子に縛られていた。
「君を助けにきっとホームズ君がやってくるだろう」
男は高笑い。
男は銃の引き金をひいた。
銃が音を立てた。
はずれだ。
良かったな。
君の命は残り五発。
「来るといいね、ホームズが…」
「おい、夏目」
僕を揺さぶるが僕は返事もしない。
ゲーム中の僕はまるで人形と同じだ。
「またか」
「またネット廃人か」
「しかしクラスの半分がネット廃人。
まだ誰一人戻ってきていない。
いつか誰か戻ってくるのかな?
俺はやんないぞ。
たとえそのゲームがどんなに面白くても、俺は現実社会で生きていたい。
でも、一体どんなゲームなんだろう。
廃人になってもいいほど面白いゲームって、一度だけでも試してみたい。
いや、ダメだ。
絶対にダメだ。
しかしこのクラス、ほんと静かになったな。
「やっと来たね、ホームズ君、遅いよ」
「モリアーティー教授」
「そう、君の大好きなモリアーティー教授だよ」
「じゃあ、帰ろうか、ワトソン君」
そう言って、ホームズはモリアーティー教授に背を向けた。
「なんで帰るんだよ。俺と遊んでくれないのかよ」
「そのうち、夏目君と森君がやってくるから、彼らと遊んでもらいな」
モリアーティー教授は銃の引き金をひいた。
「今引き金をひいた。お前のせいでこの女が死ぬかもしれないんだぞ」
「大丈夫。その銃、弾が入ってないから」
「どうして分かった…?」
「簡単だよ、モリアーティー教授。君の目当ては僕だけだからね。君は無駄な殺しはしないよ」
と、そこへ遅れて、夏目と森が現れた。
「来た来た。君らの仕事だ。女は君たちで助けたまえ」
そう言って、ホームズとワトソンは去っていった。
最初のコメントを投稿しよう!