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「待ってくれよ、ホームズさん」 夏目が走って追いかけてきた。 「もう終わったのかい」 「僕が踏み込んだ時には誰もいなかったんだ」 「そうか、モリアーティー教授は逃げたんだな」 「で、思ったんだ、空、いや、名無し猫をさらったのは君たちじゃないかってね」 「フフフ」 「何がおかしいホームズ」 「犯人はホームズじゃないよ。モリアーティー教授さ」ワトソンは言った。 「誰だ、それ」 「犯罪のナポレオンだよ」 「逃げるなホームズさん」 夏目は声を上げた。 「君はまだまだだね、そんなんじゃ、切り裂きジャックを倒せないよ」 いつになったら帰ってくるんだろう。 「なあ、夏目よ、もすぐ夏休みだぞ。退屈だよ、お前がいないと」 正岡は夏目を見つめてそう言った。 一緒に野球をしようよ。 「お前の手、突然傷だらけになったりするから、不気味だよ。どんなゲームをしてるんだよ」 と、突然夏目は口から大量の血を吐いた。 それだけじゃない。 クラスの半分の生徒が口から血を吐いていた。 おいおい、一体向こうの世界で何が起こってるんだよ。 「夏目!」 森は声を上げた。 「切り裂きジャックのやつ」 そう言って、森は蘇生のために心臓マッサージを繰り返す。 夏目は血を吐き、息をした。 「どうにか助かった」 森は大きく息を吐いた。
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