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休み時間、いつも何をしてるんだ。
いつも空はゲームをしてた。
授業中はいつも寝ているのに、休み時間になると、ゲームを始める。
見たことのないゲームだな。
RPGか?
しかし不思議だ。
水無月はこんなに美人なのに、なんで誰も声をかけようとしないんだ。
いくらボッチだからって、こんな美人がクラスにいれば何かしら目がいくだろう。
なのに誰も水無月のことを見ようとしない。
まるで水無月が存在してないかのように。
まさか、誰にも見えてないのか。
まさか幽霊。
なわけないよな。
それなら出席で名前を呼ばれるはずがない。
「なあ、水無月っているだろ」
「えっ、誰?」
「ほら、いつも一人でいるだろ」
「ああ、いるね」
「いるんだ、やっぱり」
「何言ってんだ。あの地味な女だろ」
「そう。
水無月って美人じゃない?」
「えっ、本気で言ってるの?」
「水無月って普通だよ」
「まさか、夏目、水無月のことが好きなの」
「いや、そうじゃなくて」
「まあ、そうだな、水無月じゃ、妥協しすぎだよな」
そうなのか、俺の趣味が悪いのか。
まさか俺ってブス専。
「なあ、ゲーム何してるんだ?」
「ゲーム?」
「RPGだろ」
「ああ、これ」
「迷宮倫敦」
「へえ、ネットゲームだよね」
「そう」
「俺もやろうかな」
「どうして?」
「どうしてって、なんか面白そうだし」
「二度と戻れなくなるよ」
「えっ、どういうこと」
「面白すぎて、依存症になるよ」
「ああ、そういうことか」
「大丈夫、俺ってゲームそんなに好きじゃないから」
「じゃあ、やめたほうがいいよ」
「でもさ、なんかやりたいんだよね」
「どうして」
「だって、空と仲良くなりたいし」
「じゃあ、やれば」
「いろいろ教えてくれよ、ゲームのこと」
「…」
「ハンドルネームは何?」
「名無し猫」
「名無し猫?そうか、名無し猫か。探すよ、だいたい、どの辺にいるんだ」
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