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お題 SNS
お決まりの日常だった。
今日も晴れていた。
寸分違わぬ時間に起きて、寸分違わぬ学校の門を通る。
いつもと同じ時間に教室の扉を開ける。朝の光に満ちた、明るい教室だった。
クラスメート達が気さくに声をかけてくれて、それに応える。
三木が後からやってきて、昨夜のTVの話をふる。
気のせいかも知れないが、皆、優しい。
つられて僕も、少し笑顔が増えた気がする。
彼等には、勿論、あんな出来事の記憶は無い。
僕だって、本当は夢なのではなかったかと自分を疑う。
とても、リアルな夢だったが。
それよりも、こんな毎日同じ事の繰り返しでは、この世界は本当に現実なのかと不安にかられる。
実はまだ僕は、物語の中にいるのではと。
小説はまだ、終わっていないのではないかと。
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