番外編 エリダ デセスペランサ

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「へいへい、行きますよ」 レオには最初から戻る気があったらしい。 あまりにもアッサリと奴は部屋の扉に近付き、手前に引いた。 「遅い。俺は今機嫌が悪い」 扉を開けた先には真顔のラウル王が立っていたが、レオはその身体を押しやって一人で歩き出した。 俺の場所から、廊下を歩く二人の姿が見える。 レオに追いついたラウル王が驚くべき行動に出た。 自分の尾をレオの腰に緩く巻きつけたのだ。 ────ほう、珍しい。あの冷静沈着な王でも、あんなことをするのか。 途中で姿は見えなくなったが、「なんで素直にごめんって言えねぇんだよ?」というレオの文句だけは聞こえた。 「扉くらい閉めてけよな?」 呆れというか、なんというか、よく分からないが、俺は苦笑いを浮かべながら扉に近付いた。 ここまで来れば魔族の俺でも、さすがに気が付いた。 奴の気配に。 「っ!フィ、フィト!?」 部屋の外、中からは死角となる場所にフィトが立っていた。 薄い茶色の毛並みがランプの光で艶やかに見える。 「ルイス、そんなに僕と寝るのが嫌?」 整った顔が金色の瞳を細めた。image=507124796.jpg
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