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笑顔
自業自得と言ってしまえば、それまでの話なんですけどね」
ツイッターで私が怖い話・奇妙な話を収集していることを知ったという田中さんは、そういって話を切り出した。
田中さんには柊という幼馴染がいた。
「小学校の頃までは同じマンションに住んでいたので、学校だけでなく放課後もよく一緒に遊んでいました」
いたずら好きの柊は、よくピンポンダッシュを誘ってきた。
「私には面白くもなかったんですが、彼は『出てくる人の顔を見るのがたまらない』と、飽きもせずに続けていましたよ」
特に、最初は困惑気味だった人の顔がピンポンダッシュを繰り返すうちに怒りの表情になってくると、柊は目に涙をためて笑い転げていたそうだ。
「小学校の卒業と合わせるように私も柊の家も一戸建てを購入し、それぞれ別の中学に進学したことで、彼とは自然と疎遠になりました。でも、偶然同じ高校に進学して、付き合いが再開したんです」
高校生になっても柊のいたずら好きは変わらず、しかも悪い意味でエスカレートしていた。
「彼がはまっていたのはネット上で暴言やあおりをくり返す、『荒らし』でした」
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