届け物

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届け物

 玄関のインターホンが鳴った。返事をすると、外からお届け物ですとの声があった。心当たりは無い。覗き穴から見えるのは、有名所の宅配業者の制服だ。ドアを開け受け入れると、相手は割りと大きな発砲スチロールの箱を抱えている。 「受け取りのサインお願いします」  送り主の名前を確認してから、私はサインをし、荷物を受け取った。  送り主は知人の医師からだった。ああ、久々に手に入ったんだなぁと思う。今夜の食事は焼き肉だ。  私は箱をキッチンへと運び込んだ。開けると氷に包まれた食材が現れる。その上にはビニールに包まれた手紙が入っていた。  内蔵は抜いて、他の希望者に送った。  頭も同様。肉は熟成済み。  今回は小さめなので、丸ごと送る。 「丸ごと送られて来ても困るな」  捌くのは面倒だ。それに骨が割りと大きいので、そのまま処分するという訳にもいかない。かといって、このまま冷蔵庫にも入れられない。 「面倒とも言ってられないかぁ」     
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