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「それってクレーマーのことか?」
「クレーマーなんてかわいいだろ。あれは承認欲求が満たされていなくて暴れている子どもと同じだ」
「正直アレには俺もうんざりしている。いい年こいてこいつバカのなのかって思ってしまう。『てめえのルールを押し付けるんじゃねえ!』って。でも逆切れされたら面倒くさいから言わないけどさ」
「まあ、クレーマーは別においておいてだな、もう少しわかりやすく言うと、誰にも理解できない自分のルールで殺人を犯す。これがオレの考える異常な奴だ。『誰でもいいから殺してみたかった』は『私はおかしいんですよ。私がおかしくなったのは周りのせいです』と自分が被害者だとアピールをしているに過ぎないだろ」
「まあ、いるよなそんな奴。ずっと誰かのせいにしている奴。一時的にならまだしも、ずっと誰かのせいにしているのって『自分が誰かに救われたい。救ってほしい』って思いの裏返しかもしれないけど」
俺はテレビに映る犯人を見ながらそう思った。
「正直、オレはいつも不思議に思うんだ」
「何が?」
俺は友人に訊いた。
「何で人間はいずれ放っておいたら必ず死ぬ生き物を、わざわざ殺そうとするんだろうな」
「さあな、きっとそいつの存在が自分の世界にいることが許せないじゃないのか」
俺は友人に言った。
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