非日常な夏休みの始まり

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非日常な夏休みの始まり

 たった数分前まで、私はやっと始まった夏休みに浮かれて宿題なんか手をつける気もなくベッドの上でゴロゴロとお兄ちゃんに押し付けられた漫画を読んでいた。いつも通りの平和な日が始まったと思っていたのにこれは一体どういうことだろうか。  今、私の前には文字通り次元を超えた超イケメンがいる。いやだってなんか猫耳ついてんですけど。猫耳っていうか狼みたいな。  あぁ、これがお兄ちゃんの言ってたコスプレイヤーさんか! ってそんなわけあるかーい!  顔はめちゃくちゃイケメンだけどね! そりゃもう見たことのないイケメンだけどね! 大事なことなので二回言いました。  その猫耳イケメンさんは私の前に正座しております。べ、べつに耳がしゅんと垂れてて可愛いとか思ってないんだからね!  私は混乱しながらも猫耳イケメンさんとの会話を試みた。 「……あの」 「ハイ」  あ、普通に日本語通じるんだ。良かった。 「えと、お兄さんはどちら様ですか?」 「あ、お、俺はジャック」 「ジャック、さんですか。……どうやってここに?」 「それがよくわかんなくて……なんか知り合いの魔法が失敗してそれに巻き込まれたっぽい?」     
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