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「もうすこしで生まれますからね、頑張ってください」
ここは分娩台。
もうすぐ私は母になる。
私はとても怖かった。
私のした選択は間違っていたのかもしれない。
これから生まれてくる赤ちゃんにとって不幸な選択をしてしまったのかもしれない。
今までもずっとそうだった。
いつも大事な選択をすることを後回しにしていた。
でも、赤ちゃんは、人の命は待ってくれなかった。
「ユウカ!もうすぐだからな!頑張れ!」
「……これで、良かったのかな…」
「何言ってんだよ、これからお母さんになる奴がそんな弱気でいいのかよ!」
「…でも」
「堂々としてればいい!ユウカにできないことは俺がカバーする!だからなにも心配するな!」
「うん…」
私は今日、どこにでもいる普通の大学生から、母親になった。
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