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ははは、と小さく笑う碓氷に対し、子供達は口をキツく結び、表情を一切変えず二人を見つめていた。 その表情から緊張の情がひしひし伝わってくる。
「では向かって、左の者から申し出よ」 と、碓氷は手を差し伸べ、子供達を促す。
「ハッ」
促され返事をした子供はあぐらをかいたまま、だが背筋を伸ばして続ける。
「カミツカイ一号、ミヤビと申します。カミツカイの長を務めております。何かあれば私に何でも申してください。」
彼、ミヤビという茶髪の男性は爽やかに言うと深く一礼をした。 自己紹介が終わると次、と碓氷はミヤビの隣の子に目を向けた。
「ハッ」
ミヤビの隣に居た、少し小柄な少女は男性と違い正座をしてアサギの方を見る。
「カミツカイ二号、アカネと申します。長補佐を務めております故、何卒よろしくお願いします。」
彼女はミヤビ同様深く頭を下げた後、続けざまに隣の大男は口を開く。
「カミツカイ三号、クロガネと申します。主に指揮長を務めております。」
大柄な刈り上げた髪型の彼もまたお辞儀をする。
「いい忘れてたが、屋敷内では武器使用は禁じておる。着替えの歳、君の刀を保管すると言ったろう。彼が武器保管の役を行っている。出陣する時は彼から武器を受け取るように」
次、と促されクロガネの隣に居る長身な痩せ身のおどおどした少女は慌てて挨拶する。
「かっカミツカイ四号、トキと申します!狙撃班の頭を務めております!よろしくおねがいします!」
彼女に続くように蔓延の笑みを浮かべた三つ編みの少女が自己紹介を始める。
「カミツカイ五号、カナデと申します。カミツカイ下級生の護衛を務めております。よろしくお願いします」
そして最後になり、アサギにとっては顔見知りの少年が険しい顔でこちらを見て口を重々しく開く。
「カミツカイ六号、ユウと申します。巫女の護衛を務めております。これから何卒よろしくお願いします」
は、とアサギは彼を見つめる。
「巫女の護衛…?」
「ああ、彼は幼き頃から巫女と婚約を交わしていてな。近々結婚する二人だ。巫女の夫となる男だから巫女を守ることは当然ともいえよう。だから私は彼を護衛につかせた。」
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