3人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「……でも、銃で神を仕留めることなんて出来るのでしょうか」
「ただの銃ではない。神を倒すために私の力により強化した仕込み銃だ。ヤツもこれを大量に浴びればのたうち出来よう」
なるほど、と関心した顔で再び青年は少女を見た。
少女は満月の真ん中まで登り詰め、着物が着崩れ、そのままするんと風につられて、湖の中へじんわり溶けるように沈んでいく。
裸になった少女は両腕を外側へ突き出し、何かを待つように動きを止める。
「…来るか。だがもう遅い」
碓氷は勝利を確信したかのように勝ち誇った顔で、月に浮かぶ少女を見た。
彼は待っていた、巫女の儀式を。
最初のコメントを投稿しよう!