私立探偵釜堀の事件簿

gameover ｷｭｰﾋﾟｰ食品暴力事件

　猿山を守ることが出来なかった。
　任務は失敗だ。
「首なし怪物だと?寝言か?任務失敗したことのいいわけか?」
　尾形が小田の頭をハンマーで殴った。
　56
いきなり下がったな?
「石頭なのか?」
　死なない小田を見て尾形が笑ってる。
「痛いっすよ?」
「そんだけしゃべれるんだったら大事だろ?次の任務だ」
「病院連れてってあげましょう?」
　心配する寛子ちゃんに尾形の蹴りが放たれた。
「労災扱いにするつもりか?うちみたいな零細が労災なんかになったらご破算だよ」
「確かに所長のゆーとーりです」
「カマを見習え、ウチのことを一生懸命考えてくれている。ゆとりのゆーとーりだ」
「尾形さん?俺、ゆとり世代じゃないです」
「団塊だったっけ?」
「いや、団塊ってゆーより断崖世代です。ロスジェネは大変っす。どっかの偉い奴のせいで10年もムダにしましたよ」
「頑張れよ?応援してるんだから」
　尾形さんってナカナカいい人だな?俺だけ殴られないし?蹴られない。
　小田と寛子が戦闘不能になった。
　次の任務は浮気調査だ。　
　依頼人は道島冬子、37歳。
　ファイルを見た。気弱そうな女性だ。
「冬って感じの女性ですね?」
「はぁ?意味が分からん」
「儚さそうな人ですね?」
「酒に強そうだよな?酒乱なのかな?」
「吐かなさそうじゃありませんよ」
「知ってるよ!?ギャグったんだよ?男なら気づけよ?酒乱Q」
「シャ乱でしょ?懐かしいな?シングルベッドとか」
　QP時代は毎日殴られていたけど。
　QPに入れば殴り放題だ。
『君のためを思ってるんだ?』
　これを使えば殴れる。
　サニタイズで置場所を間違えたら殴る!
　側溝で流し方が違うと殴る!
　保護マスクの置場所を間違えたら殴る!
　機械洗いで洗う順番が違うと殴る!