乗れなかった終電

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 そしてエッセイストもしている彼は、食事を済ませるとスタジオから十分ほど離れたワンルームマンションに入った。  五階のデスクには仕事用のノートパソコンがあり、彼は早速エッセイの入力を始めた。  そして五時間ほどで入力を完了すると、メモリーに保存して、タクシーを呼んだ。  これからなら、終電に間に合うはずだった。  マンションから出ると、タクシーの姿が無かった。  一軒マンションを間違えて止まっていたからだ。 (このロス、まずいかも……)  と思いながらも、タクシーに乗り込み、私鉄のR駅まで走らせた。
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