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思ったとおり、改札に着いた時点で、無情にも終電は出発した。
が、その時、車掌がキヨシを見ながら笑ったように見えた。
キョシは、ムッ――として、タクシーに戻ると、次のT駅へ急がせた。
深夜なので、上手く行けばT駅で追い着ける――と判断したからだった。
そして乗車する時に、車掌を笑い返してやろうと思っていた。
計算どおり、キヨシが乗ったタクシーは、少し早くT駅に着いた。
キヨシは、運転手に少し多く運賃を払い、
「悪いが五分ほど待っていてくれ。ひょっとしたら電車の方が速いかも知れないから」
そしてT駅に入ると、終電が到着する気配のあるホームに立った。
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