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それにしても、新築ではまだ見ていない。
あの男はどこへ行ったのか？
もし、人ではなく、物に憑いていたのだとしたら…。
私は帰宅すると、父が帰るのを待った。
何気なく会話をする。
｢アパートから団地に持ってきたけど、今回の引越しで処分したものってある？｣
｢そりゃああるだろ｣と父は笑う。
｢アパートにいた頃クローゼットにあって、団地に3階に移動したものある？｣
｢団地にはそのまま持ってきたよ｣
｢その中で、今回の引越しで捨てた物ある？｣
クローゼットの管理は父がしていた。
父が｢何だそれ、ナゾナゾか｣などと笑う。
しかし、すぐに真顔に戻る。
｢あぁ、無線機か？｣
｢無線機！？｣
｢俺がトラックやってた頃、無線が流行ったんだよ。どうしても無線機が欲しくて、隣町の質屋で買ったんだよ！｣
どんなものだったのか聞こうとすると、横から祖父が割って入ってきた。
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