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『・・・で、遥ちゃんといても全然つまんないんだって隼人言ってた。』
同じサークルの隼人の浮気相手に告げ口っぽく囁かれた。
私を傷つけるのが楽しいようで
キツイ香水に長い綺麗なストレートの髪を
耳にかけながら、エクステの不自然な長いまつ毛を
鳥の羽のようにバサバサさせて
濃いめのチークとオーバーリップで
成り立つその顔は作り物みたいだったけど
薄っすら目に水の膜が張って滲んでよく見えなくなった。
ぐはっ
久しぶりに、見た夢が隼人の浮気相手ってシュール。
記憶の底に沈めたはずなのに、忘れ物だよって
時々思い出させてくれる。
あの頃、浮気相手達は素知らぬ顔で私と話したがるから
とても傷ついたし、私は向き合わないで逃げた。
脱兎のごとく、避けて逃げた。
隼人と別れ、サークルを辞め、電話番号変更した。
恋愛は難しい。
頑張っても、必ず叶うとは決まっていない。
報われるとも限らないいんだよね。
「目覚め悪っ」
溜息ついてベットを降りた。
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