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「部屋の鍵、ちょうだい」 ん、と手を伸ばされて、私は呆然と立ちつくす。 一歳年下の幼馴染は、昔の面影を残しつつも誰もが振り返るぐらいイケメンに成長していたから。 「はやく、――ちょうだい」 甘く強請る。 彼は忘れたのだろうか。 昔、私を泣かせては笑っていた悪ガキだったことを。 甥っ子を抱っこすると、私は幼馴染から逃げた。 それでもとっくに心は捕まえられていたのかもしれない。
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