序章

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男と女の間には溝がある。健常者と障がい者の間にも。 IQの差、言葉の違い、世代、国、あげれば切りがないが、あまねく人と人の間には底の見えない溝がある。 それは圧倒的な境界線。自分と他人を隔てるもの。 友人だろうが、恋人だろうが家族だろうが、人は生れながら一人であり孤独である事を知らしめるもの。 人は人と繋がる為にその溝に橋を架ける。橋を架けてそこを行き来しその橋を強くしてゆく。 そして人は人を解ったような気になる。 そして孤独感を忘れる。 この境界線のような溝に橋を架け、この人を解った気になり、そしてその橋を彼女に壊された瞬間、俺はきっと死ぬのだろう。
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