学校セイフク!第一話「何者語」

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秋月高校1年2組の教室。窓際に座る設楽静稀(したらしずき)。頬杖をつき、眠そうな目で外を見ている。咲き誇る桜。 静稀ナレーション「僕は、空気になりたい」 教室では大勢の生徒がスマホを持って話している。 モブA「ねーライン教えてー。グループ作ったから」 モブB「この写真どこで撮ったの?」 モブC「プロフィール写真ヤバくない?超ウケる!」 静稀ナレーション「誰にも関わらず、誰にも関わらせたくない」 静稀ナレーション「わずらわしいのは嫌いだ。疲れるから」 静稀ナレーション「一人でいるのは好きだ。楽だから」 モブAが静稀にスマホを持って近寄る。 モブA「ねぇ君、名前は?ライン登録しているよね?グループ作ったからアカウント教えて。あと今週の土曜空いている?クラス会するから。あ、とりあえずスマホだして!」 静稀、振り返り眠そうな目つきで言う。 静稀「いや、興味ないんで」 モブA唖然とした顔。静稀の言葉を聴いた他のモブも目を丸くして静稀を見ている。静まり返る教室。 静稀「だけど人間はそもそも空気になれないのだ」 そんな教室の中で朽沼桐吾(くちぬまとうご)は静稀を見て、ニヤリと笑う。
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